Unix修正主義
スピーカー
Tanaka Akira (National Institute of Advanced Industrial Science and Technology (AIST))
概要
Ruby のライブラリ API は Unix の影響を色濃く受けているが、 Unix の API をそのまま提供しているのではなく、 Unix の失敗を修正している部分がいくつかある。 たとえば、ノンブロッキング I/O は、オープンしたファイルに対するフラグで指示するため、 特定の操作だけをノンブロッキングにすることが難しい。 これに対し、Ruby ではフラグでなく read_nonblock メソッドなどを用いることにより、それが簡単になっている。 また、プロセスを起動する fork システムコールは近年のマルチスレッド環境では大きな問題がある。 これに対し、Ruby ではその問題がないプロセス起動方法として spawn メソッドを導入した。 本発表ではこのような修正例を述べ、また、まだ修正していない Unix の失敗とそれを Ruby で修正する可能性について述べる。 それにより、API の問題の発見と修正についての知見を示す。
日程
2010/08/28 15:30 - 16:30
会場
大ホール
スピーカー プロフィール
Ruby コミッタ。
主に I/O、ソケット、プロセス、時刻、その他の厄介事に興味を持つ。
話す自然言語
ja
発表資料
http://www.a-k-r.org/pub/rubykaigi2010-akr-unix...